こうして 幕を閉じたとら君の M幼稚園生活ですが いくつかの余波がありました。
ひとつは M幼稚園には 自閉症とは違うしょうがいのお子さんが 通園されていました。
そのお子さんは M幼稚園でとても大事にされていたらしく そのお子さんのおかあさんは 親の会などで
「しょうがい児行かせるなら 絶対Mよ。」 と言っていたらしいのです。
そして とら君の退園のいきさつを聞いた そのおかあさんが 親の会で言われたのは
「あの子は 自閉症だから 仕方ないわ。
その点 うちの子は 同じしょうがい児でも おとなしくて 人なつこいから」
私は このおかあさんを 責める気持ちはありません。
しょうがい児の親同士 傷つけあうのは 哀しすぎます。
ただ このおかあさんの意見は 間違っていると思います。
このおかあさんは 親の会でもbQで とても てきぱきはきはきしたかたでした。
対して 私は オドオドと卑屈で 言いたいことも言えず 謝ってばかりいました。
子供のしょうがいの種類が 原因ではありません。
はっきり言って 私は「なめられた」のです。
以来 私は 意識して 人前で卑屈な態度をとらないように 気をつけてきました。
尊大な人と 思われてもかまいません。
それで 子供たちを 守れるのならば…
そして…もうひとつの余波は あまりに哀しいものでした。
出演できなかったクリスマス会から 何日後だったか…とら君が おずおずと 私に話しかけてきたのです。
「とら君…さる…いつ…」
とら君は とら君は さるの役をしたかったのです。
それまで 不思議と泣けなかった私は とら君を抱きしめると 大声をあげて泣きました。
ごめんね さるの役できなくて ごめんね。
ごめんね。 強いママじゃなくて ごめんね。
ごめんね。とら君を 守れなくて ごめんね。
ごめんね。 しょうがい児に生んじゃって ごめんね。
ごめんね。 ごめんね。 ごめんね。
泣いて泣いて 声も出なくなるまで 泣いて そして 決心しました。
もう 絶対に 子供たちに 哀しい思いなんか させるものか 絶対に 絶対に なにがあっても。
私は 子供たちを 守りぬく。
そして 私も もう二度と こんな哀しい思いは したくない…
こんな話を 長々と 書いてきたのは 私怨ではありません。
私が もっと勉強していて きちんと認識が あって 強く賢い人間だったら 避けれたであろう 失敗談を あえて書いたのは
もう 私は 誰にも 私と同じ 失敗をして欲しくないのです。
もう 誰にも 私のような 魂をえぐられるような 慟哭を して欲しくないのです。
幼稚園選びのみならず しょうがい児を
この世間で育てていくための 何かの参考になればと思い 書きました。
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