Last updated: 07/06/18


9    自立への子育て  明石洋子著  ぶどう社
H15年3月1日(土)
 
「ありのままの子育て」を お書きになった 明石洋子さんの 待望の2冊目の本です。
 
第1巻が 徹之さんの小学校卒業で終わっていたので 第2巻はその続きからかしら と思っていたら 第2巻も徹之さんの 乳幼児期から小学校までの間を 今度は「自立」への取り組みという視点で 書いておられます。
 
「ことば」「トイレ」「偏食」「こだわり」「お手伝い」「お金」などの課題について そのとき 母親として 明石洋子さんが どう考えどう工夫したのかが 具体的に書かれています。
そして そのときの 母としての思いも あわせて書かれています。
 
なにか考え 工夫したからといって 即それが いい結果に結びついたわけではなく 何年もかかったり 形を変えて 再アプローチしてみたり あるいは 周囲から 「躾のできていない子」と 思われたり。
明石洋子さんは そのときの これでいいのだろうかという迷い  つらい気持ち 苦しい気持ちも 率直に書いておられます。
 
そして そんな時 明石洋子さんの支えになってくれたのが 徹之さんの弟さん 政嗣さんの存在 そしてのちには 明石洋子さんが 「耕した」地域の人たちの存在。
 
この 地域の人たちだって 全員が全員
理解してくれるということは なかったそうです。
「だけど ひとりの人が理解してくれれば
それで 十分。そのひとりを 獲得したくて
地域に出て行きます」 と 明石洋子さんは 書いておられます。
 
この本を読むと 明石洋子さんは 本当に
「人間が大好き」で 「マイナスをプラス」に
する 「発想の転換」に 優れた方なんだと思います。
 
それをなにより如実に物語るエピソード 私が 大好きになったエピソードが この本の中にありました。
 
「スーパーの店内で 徹之さんが積んであるりんごの下のほうから取り出して りんごの山を崩してしまったとき 落ちたりんごは
買って 煮て アップルパイにして ご近所に 配った」そうです。
 
ところで この本のタイトルにも なっている 「自立」とはなんでしょうか。
 
明石洋子さんは 徹之さんの自立を目指して 3つのことを 教えていかれたそうです。
「自立のスキル」(技能)の獲得。
「社会のルール」
「人とのかかわり」を正しく教える。
 
そして 教えるというと なにかできないことを なにがなんでも できるようにしなくては
と 親も子も無理に無理を重ねて という感じがしますが そうではありません。
 
これは 明石洋子さんの本の 表紙から
引用させていただきます。
 
「『できるように』ではなく、『幸せに』を願って 
それは子どもの『思い』を育てることから
『思い』が育った子どもは きっと『自立』します」
 
「子どもの思いを 育てる」
このことばが 私の心に深く染み入り また 新たな勇気を与えてくれました。
 
この本は 「トイレの躾」や 「お金の使い方」を どう 子どもに教えたらと 迷うとき
具体的なノウハウを学べる本です。
 
それと同時に 親として どう子どもに向き合ったらいいのかと 思い悩むとき そっと
開けて 読み返したい本です。
 
第一巻の時も 書きましたが この本は
「あなたもがんばりなさい」と 叱咤する本ではありません。
思い悩んで 心が疲れてしまったときに
暖かい手で そっと背中を撫で パワーをおくってくれる そういう本でもあると思います。
 
だから 私は 明石洋子さんの本は
しょうがい児の親 しょうがい児に関わる仕事をしている人や学生さんだけでなく 健常児の親・普通校の先生 ありとあらゆる方に 読んでいただきたいと思います。
 
第2巻を読み終わったばかりなのに もう
第3巻を 読みたくてたまりません。



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