Last updated: 07/06/18


17    親の「ぼけ」に気づいたら 斉藤正彦著 文春新書
H17年3月28日(月)
 
この本の著者は 高齢者の精神医療、司法精神医学の
専門家です。
 
この本は 実在する何人かのお年寄りを 合成した架空の男性をモデルとして
その男性が アルツハイマー型痴呆と診断され その後の経緯を
物語形式で 追っていきます。
 
(ところで 「痴呆」という言葉ですが。
この本の 前書きで 著者は 
 
『最近、平成16年度以降、法律や行政の用語として痴呆という病名を廃し、
『認知症』という新語をこれに代えることに決めました。
しかしながら、『認知症』という病名は
学術用語として認知されているわけではありませんし、
一般の読者にも全くなじみのない言葉です。
本書では<痴呆>という言葉をそのまま用いておきます。』
 
と 書いておられます。
なので 私も この本の内容を紹介するときは
「痴呆」と言う言葉を 使っています)
 
この本は 物語形式なので
痴呆に気がついた
本人の戸惑い 困惑
周囲の戸惑い 困惑
当人 周囲の生活上の支障なども
大変 わかりやすく 書かれています。
 
そして その物語 エピソードごとに
医学的解説が つけられています。
 
この解説も
大変 わかりやすいです。
 
そして なにより 私が この本を読んで 良いなぁ
と 思ったのは
例え 痴呆性疾患になったしても
周囲の人も 
そして なにより本人が
「自分らしい老後」を
おくれるようにするための
「支援」の仕方を
教えてくれる本なのです。
 
そのための
正しい知識であり。
 
正しい知識 正しい認識をもって
痴呆性疾患のお年寄りの
心に寄り添い
生活をケアし
周囲の人たちも 少しでも
良い介護生活を 
過ごすための本なのです。
 
だから 周囲の家族の熱意とがんばりだけを
いたずらに 要求するのではなく
使える制度 施設はできる限り使ったらいいと
それについての 知識も 教えてくれる本なのです。
 
私は お舅さん お姑さん
自分たち夫婦
こねこたちという
3代の老後の問題を
考えなければならない身として
この本を 大変興味深く 感慨深く 読みましたし。
 
「支援」に必要なのは
ただ 愛情と熱意だけではなく
正しい知識 認識
そして 制度や施設なのだ
という点では
しょうがいをもったこねこたちの
「支援」にも まさに
通じるものがあると 思いました。
 



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