ちょっとの無理
子どもたちを見ていると
この子は ちょっと無理をすれば
何々ができるのに
と 思うことがよくあります。
 
でも 決して 忘れてはならないのは
その時 その子のすることが
ちょっとの無理だったとしても
その「ちょっとの無理」が 
何ヶ月も何年も 続くようならば
それはもう その子にとって
ちょっとの無理ではなく 
大きな無理 大きな負担なのです。
 
 
 
これは 養護学校の先生とお話ししたとき うかがった言葉です。
 
で 私は 先生に
 
「それは 例えば 棚の上に乗っている物に触りたい。
それに 触るために ちょっと背伸びをする。
そうすると 触りたいものに 手を触れることができる。
そういう状況のことでしょうかね?」
 
「そうですね」
 
「なるほど。
確かに 『ちょっとの無理』ですね。
でも 背伸びしたまま 何ヶ月も何年も
じゃ 本当に 疲れきってしまいますね。
下手をしたら 普通の姿勢で立つ力さえ
なくなってしまうかもしれないですよね」
 
「そうなんです。
だから 『ちょっとの無理をさせる』 
というのは
自分は 教師として 子どもたちに接するとき 特に注意深くしていることの一つなんです」
 
「私も親として よくよく注意しなければいけませんね」
 
と 私は この言葉を 自分の心に刻みました。
 
そして
「でもね」
と 私は 更に言葉を続けました。
 
「子どもたち本人が 背伸びをするだけなら 本人にも無理がかかってしまうし 棚の上の物にも 触るだけに終わってしまいますけど…
周囲の人たちが 子どもたちのために
『踏み台』を 用意してあげたらどうでしょうね。
そうしたら 本人の負担も軽くなり 棚の上の物も触るだけじゃなく 手に取ることもできるかもしれませんね」
 
「なるほど」
 
「でね その『踏み台』を 別の言葉で言い換えたら 
それが 適切な『支援』って言うものかもしれませんね」
 
 
更新日時:
2005/04/18

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Last updated: 08/01/19

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