他人のまねをする力
他人のしていることを見て まねする力といいましょうか。
この力が とら君が 弱いようです。とら君の持ってる力で 一番弱い部分ではないでしょうか。
とら君の 検査に立ち会ったことあるのですが 先生が太い紐に四角や三角のブロックみたいなものを通して とら君に見せ 「同じようにして」と おっしゃるのですが とら君には これができないのです。
正確には さっさとするのですが 紐に通してるブロックが お手本とまったく違うのです。
それを見たとき ショックを通り越して 長年の疑問一気に氷解と言う気持ちでした。
 
小さい頃 とら君は お遊戯というものが まったくできませんでした。呆然と突っ立っているのです。
見ていて不思議でした。少々テンポは遅れても 他の子のまねして 手を上げたりすればいいじゃない と思っていました。でも 「他の人のまねをする」と言うことが とら君には できないことだったのですね。
 
この頃は とら君も 昔よりは まわりに合わせた行動がとれるようになりましたが…
わりとはきはきしゃべるので 見逃されがちな このとら君の弱い部分は 今後とら君が 世の中で生きていくためにも きちんと まわりに理解を求めなければと思っています。
 
そして みけ君ですが。みけ君の持っている力で 一番強いのが この「他人のまねをする力」です。
多動の時期はともかく 落ち着くと みけ君のお遊戯は 他の健常の子と遜色ありませんでした。
 
私は みけ君に特にお料理を教えたことはありません。私が 料理をしている姿を じーと見て みけ君は 料理を覚えました。
この場合 恐怖のワンパターンと言われる
私の不動のメニュー 「酢豚ならぎょうざと組み合わせる」が 変化を好まないと言う 自閉症のみけ君には 逆にプラスだったのでしょうね。酢豚とぎょうざの材料を 買って 冷蔵庫に入れておくと 夕ご飯の支度の時間になると 私が何も言わなくても みけ君は 冷蔵庫から材料を出してきて さっさと料理を始めました。もちろん 手順も野菜の切り方も 私のコピーです。
 
最近 みけ君の担任の先生に 学校での様子をうかがったら 「お手本になる子を自分で決めて その子のまねをして行動しています」とのことでした。
とら君に比べて 言葉数が少なく なんとなく とら君より能力的に下に見られてしまうみけ君ですが この点は みけ君のいいところとして 大いにアッピールしたいし 伸ばしていってあげたいです。
 
                                 2002.07.10 Wed.
 
 
 
更新日時:
2002.09.27 Fri.

普通の子供
うちの子供たちは 自閉症で知的しょうがいと言う しょうがいをもっていますから 社会で生きていくためには 特別な配慮が必要です。
でも 「特別な子供」ではありません。
「普通の子供」です。
 
うちの子供たちは 自分の気持ちを 言葉で表現することができません。
ですから 私が 子供たちに接する時 気をつけていることは 「自分がされて嫌なことは 子供たちにもしない」 です。
このとき 私が 「うちの子たちは しょうがい児だもの。
私とは 違う人間だわ。私と 同じように感じたり 思ったりするわけない」
と 考えたら 私は 子供たちにどう接していいかわからなくなるか あるいは一歩間違えれば どんなひどいことでもできると 言うことにもなってしまいます。
 
世の中には しょうがいを持った人を 「特別な人」 と思っている人がいるように思います。
その 「特別な人」が 「特別な配慮の必要な人」 「大切にしてあげなければいけない人」 と 言うことならいいのですが。
もし それが 「しょうがいを持った人は 自分とは 「違う存在」 だ。自分が 感じるように 感じるわけはない」 と 言うことなのだとしたら…
 
しょうがいを持った人が 被害者になってしまった哀しい事例を見るたびに そこには 「自分とは違う存在」 という考え方があるように 思えてなりません。
 
これについては それぞれのお考え 思いもありましょうから ひとっくくりにしてはいけないのかもしれません。
 
でも 私が 強くお願いしたいのは うちの子供たちは 「特別な配慮の必要な普通の子供たち」ということです。
 
                                 2002.09.07 Sat.
 
 
更新日時:
2002.09.27 Fri.

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Last updated: 11/09/09

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