思いやり
 
これは 「言葉かけ」と「想像力」両方に関係する話ですが。
とら君は 自分だけ ドアを開けて 中に入ると そのままドアから手を離してしまいます。だから 後から入ろうとしたみけ君が ドアにぶつかってしまうのです。
それを見たおとうちゃんは すごく怒ります。「とら君 みけ君のために ドアを押さえおきなさい」
で 私が言います。「みけ君のためと言うのは とら君には難しいと思う」「でも おれは とら君に『思いやり』というものを 学んでもらいたい」「おとうちゃんの気持ちもわかるけど とら君には 『思いやり』と言うのは難しいと思う。とら君には 
もっと具体的に『みけ君が ドアを通り抜けるまで ドアを押さえていなさい』と言った方がいいんじゃないかな」
そうして そう言ったら とら君はちゃんと「みけ君のため」ドアを押さえてあげるようになりました。よしよし。「思いやり」と言うのは 難しいかもしれないけど これは「他の人のために ドアを押さえておいてあげなさい」と応用できるかも。
ただね…これは いつも言ってますように あくまでも 「うちの子の場合」です。
この話を 他の自閉症の子のおかあさんにしたら 「それって 『こだわり』の強い子だと ドアにこだわっちゃって ずうっといつまでもドアを開けていたり 都合で開けてあるドアを 閉めちゃったりするんじゃないの」と ご指摘を受けました。
なるほどねぇ。本当に「自閉症」って 難儀です。
 
                                  2002.06.27 Thu.
 
更新日時:
2002.09.27 Fri.

電話
 
うちの子供たちは 人との会話が好きではないようです。言葉数の少ないみけ君も 給食で食べたものくらいは 聞かれたら答えますが 会話を楽しんでる風には見えません。
だから もちろん 自分たちから 誰かに電話するなんてことはありません。社会で生きていくために 電話のかけ方は教えようと思いますが 電話が人との会話を楽しむ道具には うちの子たちの場合 なりそうもありません。例えば お米屋さんにお米を注文するとか言うことに 使えるようにさせたいとは 考えていますが。
 
とら君は 私が留守の時は かかってきた電話に出るようです。一応 名字と「おかあさんは?」と聞かれれば 「いません」と答えているようです。
 
これは うちの子たちより かなり大きい 自閉症で知的障がいのかたの話なんですが 電話で「おかあさん いますか」と尋ねられると「います」と答えるそうです。で 相手の人が おかあさんに代わってくれるのを待っていると そのまま切ってしまうそうです。それで そのかたのおかあさんが 考えられたところ そのかたにとって「おかあさん いますか」は 「あなたに おかあさんは いますか」と言う質問に取れるのではないかと。で 電話かけてくる人に頼んで「おかあさんは『家に』いますか」と聞いてもらったところ 「います」とか「いません」とか答えれるようになったそうです。なるほど。
 
とら君は 「いません」は言えるようですが 問題はこれからです。私が 帰宅して 何時間たとうとも 自分の方から「電話 あったよ」とは言いません。私の方から「電話 あった?」「あった」「誰から?」「○○さん(一度 ××の母と言ったことが ありましたっけ)」「ふーん それ 男の人? 女の人?」「女の人」ざっと こんな 感じです。
とら君も メッセージ受けたら 留守電みたいに 点滅しないかな。
 
あとね 今のところ とら君には ここまでが限界で 「また 電話します」「電話くださるように お伝えください」なんていうのはとら君には 私に伝えることはできません。これは とら君の限界なのか 私の質問の仕方によっては 言えるようになるのか これからの課題です。
 
と 言うわけで うちに電話して「確かに息子さんに 伝言したはずなのに」と思われるかた こういう事情ですので…って 私 誰に 話しかけてるのでしょうか。(笑)
 
                                   2002.06.28 Fri.
 
 
 
 
更新日時:
2002.09.27 Fri.

前のページ 目次 次のページ



Last updated: 11/09/09

mieneko@myad.jpメールはこちらまで。