伝わらない
うちの子どもたちが 小さいころ受けたご指導が 「たくさん言葉かけをして たくさんスキンシップをして」だったことは 以前も書きました。
そして それが 私にとって とても 難しいことであったことも。
 
話しかけても反応は薄いし 体を触られるのを嫌がる子と どうスキンシップをしたらいいんでしょう。
 
私は あちこちで どうしたら 言葉かけやスキンシップが上手にできるのか 相談しました。
 
色んな答えをいただいたと思うのですが その中のひとつに 保健婦さんの 「躾を一生懸命しなさい。ご飯とか着替えとかの」
というのがありました。
 
当時の私は それを聞いて 猛烈に腹が立ちました。
私の質問の答えになっていない なにトンチンカンなこと言ってるの?
 
そうして 何年も本当に何年もたってから
その保健婦さんの言葉がハタと思い当たりました。
 
「ごはん 残さず食べようね」と言ったりするのは 躾であると同時に 自然な形の
言葉かけですよね。
あるいは シャツがズボンからはみ出しているのをなおしてあげるのは 自然な形のスキンシップでしょう。
 
おお そうであったかと 納得すると同時に
他人に真意を伝えることの 難しさというのも つくづく感じました。
 
保健婦さんの場合も 私が後に思い当たったようなことの意味を込めておっしゃっていたのかもしれませんが それは 私には 当時は まったく伝わっていませんでした。
さらに 深読みすれば 保健婦さんはちゃんと言葉にして言っておられたのかもしれませんが その頃の混乱しきっていた私の耳にも頭にも心にも届いていませんでした。
 
そんなことを思い出すにつけ 私の真意は聞き手に正確に伝わっているだろうか 逆に相手の真意を私は 正確に 聞けているだろうかと 不安になることがあります。
 
どうでもいい話しは どうでもいいですが。
大切な話しの場合 話すだけでは 大丈夫かしら できることなら 文書にして 大事なことは これですと アンダーラインやかぎ括弧や太文字で強調したいなぁと 思ってしまう 今日この頃です。
更新日時:
2003.03.27 Thu.

ご褒美の失敗
とら君が 小さいころといっても 小学校1.2年生くらいまでですが なにか課題をさせて それができたときのご褒美としてシール貼りをさせていました。
ところが これが とら君についていえば 失敗だったと思います。
 
とら君は 手先が不器用ですから シールを台紙からはがして それをまた 貼るというのは 楽しいことではなかったようです。
楽しくないことを ご褒美にと言われても とら君にしてみれば やっと課題をひとつこなしたと思ったら また 新しい課題が出てきたと思ったことでしょう。
 
シールの貼らせ方も 工夫がたりませんでした。
表を作って そこに日付と課題(例えばボール蹴り)が 書いてあって その下に
丸いシールを貼っていくというだけのものでした。
 
「シールがどんどん増えていって 嬉しいでしょう」 というのは 私の発想でしかありませんでした。
 
とら君を 喜ばせるためには シールがいくつか溜まったら 好きな食べ物とか本とかに交換できるとか あるいはシールを貼っていくと 何かの形になるとかの工夫を するべきだったなと思います。
 
もっとも これに気がついたのは つい最近ですが。
 
シール貼りの ご褒美をやめてからの ご褒美は 言葉に変えました。
 
最初は 「褒め言葉」でした。
「わぁ すごい。 できたねぇ。」
と 笑顔と拍手で 大げさくらいに褒める。
そうして とら君に 何々したら 「褒められて 嬉しい」 という気持ちを 身につけてもらいたかったのです。
 
最近は 課題の内容が ゴミ捨てとかアイロンがけになった分 ご褒美は「感謝の言葉」に なりました。
 
やっぱり 満面の笑顔と弾んだ声で
「わぁ ありがとう。とら君にしてもらって ママ すごい 助かるわぁ」 
と 言います。
 
今度は とら君に 「何々すると相手が 嬉しそうだ。 そうすると 自分も嬉しい」 ということを 覚えてほしいのです。
 
そうして 自分も嬉しいということが 身に付けば 目に見えたご褒美がもらえなくても  自分から 物事に取り組もうという気持ちになるのでは と 私は 期待しているのですが。
更新日時:
2003.05.13 Tue.

前のページ 目次 次のページ



Last updated: 11/09/09

mieneko@myad.jpメールはこちらまで。