カウンセリング
 
わたしの知り合いの臨床心理士さんが
「働き盛りのメンタルヘルス」という演題で
講演会をするらしい。
 
その講演会では 心の健康に関する基礎知識や  
働いている人本人が自分自身のストレス度を知る
「自己のストレス度チェック」や
事業主や働いている人の家族が 
その人が心に抱える悩みを上手に聴いてあげるための 
傾聴法を学ぶそうです。
 
わたしは それを聞いて ずうっと昔の
わたしの父の あるエピソードを思い出しました。
 
わたしの父は 会社で何人もの部下を
抱えている立場だったのですが 
ある日父の上司から
 
「最近は いろんな悩みを抱えて
それを他人に打ち明けられずに悩んでいる人が多いらしい。
君も上司として 部下の悩みを聴いて 
ちゃんと相談に乗ってあげるように」
との指示を受けたらしいのです。
 
そこで 早速父は 自分の部下たちを
集めて
 
「何か悩みがあったら 遠慮なく
自分に相談してくれるように」
 
と言ったそうなんですが 誰一人として 
その場では モチロン 
その後も 父に悩みを打ち明けてくる人はいなかったそうです。
 
「おかしいなぁ…
みんな 悩みがないのかなぁ…」
 
と 首をかしげている父のそばで
当時 大学生ぐらいだったかな のわたしは
 
そんな 他の人がいる前で そんなこと言われたからって 
「では お言葉に甘えて」なんて 
悩みを打ち明けてくる人なんていないでしょうに。
 
パパったら もう少し 上手なやり方てものがあるんじゃないの。
 
と 思いながら 必死で笑いをかみ殺していたものでした。
 
 
今 こうして あの時のことを思い出してみて。
 
改めて 父は 本当に不器用で真面目で そして…優しい人だったと 涙がこぼれました。
 
そして そんな父だったからこそ
むしろ父の方こそ 心に抱えた悩みがたくさんたくさんあっただろうに。
 
父は最期まで それを心に秘めたまま
逝ってしまいました。
 
それを思うと また更に涙がこぼれました。
 
 
わたしは もし時間の都合がついたら
この講演会に参加してみようと思っています。
 
たった1回の講演会で カウンセリングの専門職の方のようになれるはずもないけれど。
 
わたしは 我が家の働き手である おとうちゃんと 
とら君 みけ君の 少しでも心に寄り添える
良き聞き手でありたいからです。
 
更新日時:
2007/08/11

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Last updated: 07/08/11

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