講談社から 「かつて子どもだったあなたと
少年少女のための"ミステリーランド"」が
刊行されました。
執筆陣は ミステリーファンなら
胸躍らさざるをえない超豪華な顔ぶれ。
第一回配本は
「透明人間の納屋」 (島田荘司)
「くらのかみ」(小野不由美)
「子どもの王様」(殊能将之)
全部 読みました。
でまず
「透明人間の納屋」
私は 「占星術殺人事件」以来の 島田荘司さんの ファンです。
そして その期待を裏切らないものでした。
「ありえない不可解な謎」 それが最後に
きれいに合理的に解明されるカタルシス。
島田荘司さんらしく 人間ドラマも 今 一番 社会を騒がせている問題も ちゃんと 取り込んでおられます。
ただ あえて難を言えば 三作品中 子どもが一番 子どもらしくないです。
「くらのかみ」
昼と夜では まったく違う顔を見せる田舎の自然や古い屋敷の湿っぽい雰囲気など
よく出ていました。
毒草を 使うのなども 昔のミステリーを
髣髴させて 楽しかったです。
ただ 登場人物が やたら多い上に 本名とニックネームと二つあるので 私には
登場人物の関係が いまいち飲み込めないうちに 終わってしまいました。
トリックを考えると あの人数は 致し方ないとは思いますが…
「子どもの王様」
これは 最初 読む気はなかったのですが
ネッ友に教えてもらって 読んでみました。
三作品中 一番謎解きは小粒ですが 登場する子どもたちは 一番子どもらしいです。
その けなげさ ひたむきさ 大人に翻弄される悲しさ そして 残酷さ。
ラストが 甘ったるいハッピーエンドでないのも また 気に入りました。
殊能将之さん 気になる作家の一人になったので 「美濃牛」 読んでみようと思います。
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