2004年1月11日
「あしあと日記」より
伊阪幸太郎さんの
「オーデュボンの祈り」
読了。
これはね
「コンビニ強盗をして
警察から逃げる途中
気を失った 『伊藤』は
気がつくと 江戸時代以来
鎖国を続けている
『荻島』にいました。
『荻島』の
不思議な世界が
伊阪幸太郎さんの
詩のような 文章で描かれています。
島の風変わりな人たち
犬を思わせる 『日比野』
反対のことしか話さない『園山』
太りすぎて動けなくなってしまった『ウサギ』さん
鳥だけが友達の『田中』
詩を食べて生きている『桜』
唯一 船で外部との行き来をしている『轟』
そして なにより 驚きなのは
『荻島』には
言葉をしゃべり 未来を見通せる
『カカシ』
『優午』がいたのです。
閉ざされた ある種の楽園 『荻島』に
外部より 『伊藤』が現れ
『曽根川』が 現れ
そうして 『優午』が
『殺されます』
誰が カカシを殺したのか?
未来を見通せるはずの『優午」は
なぜ 自分の死を予知することは
できなかったのか?
同時に 『伊藤』が 逃れてきた
外部では
『伊藤』のかつての同級生で
今は 警察官となった
悪と冷血の権化 『城山』が
『伊藤』の 元恋人『静香』に
接近し。
島と外部の物語は
緩やかな二本の流れのように
平行して進行しながら
微妙に 接点を持ち始め…」
いい作品でした。
やっぱり トリック トリックした
トリックの ミステリーじゃないけど。
謎もあれば
サスペンスでもあるし。
伊阪幸太郎さんの
言葉で語られる
薀蓄に満ちた
あるいは 美しい言葉たち。
お薦めの一冊です。
ただ これは
ところどころ
まだ 書きなれていないんだなぁ
と 思うところもありました。
伊阪幸太郎さん
「浅薄」という言葉が好きなのか
あるいは
「浅薄」な人間が
大嫌いなのか
やたら 「浅薄」という言葉を
連発しておられる。
なんか ちょっと
気になりました。
そういえば
船も ストーリー中
重要な役割を占めていたなぁ。
「船舶」…
失礼しましたっ!
m(__)m
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