Last updated: 07/06/18





4    サラ・パレツキー (ハードボイルド)
更新日時:
2002.10.25 Fri.
 
実は 私はハードボイルドは 長いこと読もうとしませんでした。
なんとなくニヒルで孤独な男性探偵が銃と暴力で事件を解決する話しなんて 思い込んでいたもので。
勧めてくれる人がいても 「私は胃弱だから かたゆで卵(ハードボイルド)は どうもねぇ」
なんて 言っていたのですが。
紹介の順番は 逆になってしまいますが
アルファベットの語呂合わせみたいなタイトルにひかれて スー・グラフトンのキンジーものを読んで 目からうろこがぽろっ。
そこでは タフでけなげな女性探偵が生き生きと活躍していたのです。
すっかり キンジーものが気に入った私は なにかとキンジーと比較対照される サラ・パレツキーのV・I・ウォッシャースキー(以下ヴィク)にも 手を伸ばしました。
そして それは 目からうろこどころか 目をひっぱだかれたような衝撃でした。
 
ヴィクは タフで優しくてクールで情熱的。
身近な人が 事件に巻き込まれることによって ヴィクもいやおうなしに 事件に関わりあっていきます。
そして 次々 ヴィクを襲う捜査妨害 友人の手のひら返しの冷たい態度 暴力etc
 
ヴィクは何物にも屈することなく タフに粘り強く操作を続け 事件解決のときに残されるのは ボロボロの肉体と洋服 愛車
そして事件解決の満足感と場合によっては報酬もかな。
 
このシリーズは 謎解きだけでなく ヴィクという一人の女性の生き様も描かれています。
ヴィクには 熱狂的なファンがいて ヴィクシリーズの舞台となっているシカゴへツアーを組んで行ったというのも うなずけます。
ヴィクは まるで 実在するかのように 鮮烈です。
 
ヴィクの物語を読み 満足のため息と ひりひりするハートを お土産に 現実世界に戻ってきた私は 気がつけば 胸を張り 肩で風を切って 颯爽と歩いている…つもりなのです。
 
 
 
 



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