Last updated: 07/06/18


4    おおきな木  シェル・シルヴァスタイン/本田錦一郎  篠崎書林
H14年10月23日(水)
 
「おおきな木」を 初めて読んだのは 私が大学生のときでした。
木が 自分のすべてを 「少年」に与え続けて 与えつくして 
それでも「木」はしあわせだったという話しです。
 
この絵本を読んだおかあさんを幼い頃亡くした同級生は 泣いてしまって
「おかあさんって こんなものかもしれないねぇ」と言っていました。
私も 「無償の愛」とは こういうものかと ずっと思って 好きな本のひとつだったのですが
この本を読んだ母は「これは 親捨ての話し。嫌いだわ」と言うのです。
同じ本を読んで 親子でも こんなに受け止め方が違うのかとびっくりしました。
 
実は 正直に申し上げますと 少し前まで この見返りを求めず
与え続ける木の姿に 私はしょうがい児たちの親である自分の姿を 
重ね合わせていたのです。
うぬぼれていたのです。
 
でも 最近 それはとても傲慢な間違った考えであるように思えてきました。
本当に 私は 子供たちに与え続けるだけでしょうか。
確かに 私は子供たちに見返りは求めていないし 例えばこどもたちに 
私の「老後」を見てもらうことはできません。
だけど 子供たちは その素晴らしい笑顔で 小さいけれど 確実な成長で 
日常生活の中でささやかな でも私にとっては大きな喜びを与えてくれてるではないかしら。
 
何も求めず すべてを与えつくしてしまったように見える「木」が 実はしあわせだった
という作者のことばが ほんのちょっぴりですが理解できるようになった気が
するのです。
 
 
 



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