Last updated: 07/06/18


19    お仕事がんばります 明石洋子著 ぶどう社
H19年6月18日(月)
 
明石洋子さんの 3冊目の本
「お仕事がんばります 自閉症の息子共に…3」を 
読んだ感想を 2005年6月17日に 「あしあと日記」に 書きました。
それを こちらにも 掲載です。
 
『明石洋子さんの 待ちに待った 3冊目の本
「お仕事がんばります
自閉症の息子と共に…3」がぶどう社から 発行されたのが
4月の10日だったかな。
 
でも 明石さんの3冊目の本を 早く読みたくてたまらなかった私は
ぶどう社に しょっちゅう 電話をかけては 子どもが お菓子をねだるみたいに
 
「まだ ですかぁ」
 
と 矢の催促。
 
明石さんの お忙しさは わかっているので ぶどう社さんに 
催促していたのね。
^^;
 
ぶどう社さんの お返事も
「この秋ごろには」
「年末ごろには」
「来年の頭には」
と どんどん 伸びていって
 
それだけに 先行予約?しておいたおかげで 4月の5日に 
ぶどう社から 本が自宅に届いた時は
もう 飛び上がって 喜んでしまいました。
 
ヽ(*^。^*)ノ ワ〜イ
 
そして いそいそと 包みを解き
 
「あれっ?
なんか 違う…」
 
一冊目「ありのままの子育て」
二冊目「自立への子育て」
は カバーは
白地に 徹之さんが 描かれた カラフルなイラストだったのに。
 
三冊目の 「お仕事がんばります」は
やはり 徹之さんの絵だけど
街の風景。
それも モーヴとかベージュとか
グレーとか 落ち着いた大人っぽい色使い。
 
もう それから 期待は 更に高まり
あとは もう ページを繰る手ももどかしく
むさぼるように読みました。
 
そして 読後の感想の第一声は
 
「パワーとエネルギーもらえたぁ。
私も がんばるぞぉ」
 
でした。
 
そうなんです
今まで 読んだ 明石さんの2冊の本
そして 何度か うかがった講演会。
 
そのたびに 
明石さんのエネルギッシュな活動に
口をあんぐりさせて 
 
「やぁ…
私なんかには とても 
こんな素晴らしいことできないや」
 
と つぶやきながらも
 
でも 本を読み終わった後には
講演会を聞き終わった後には
なぜか 心の中には
「でも 私は 私なりに
精一杯 がんばるぞ」
 
と パワーと力が満ちている
明石さんには そんな不思議な力があるのです。
 
 
前置きが 長くなってしまいました。
 
3冊目 「お仕事がんばります」は
1章から5章は
徹之さんが 中学時代から始まり
高校を 卒業後 公務員試験に チャレンジ
見事に 合格。
清掃局を経て 今は 老人ホームで 
元気に 「お仕事がんばっています」です。
 
これだけ書くと
なんか 順風満帆の
サクセスストーリーみたいですけど。
 
明石洋子さんと徹之さんの
歩んだ道は 決して平坦で
楽なものではありませんでした。
 
中学時代から 「働く大人」を目標に
作業所で 働いたり 地元の文房具屋さんで
アルバイトをしたり
 
そして 高校時代
憧れの清掃車に乗るために
清掃局で アルバイト
 
でも…
たったの五日でクビに…
 
そのときの徹之さんの悲しみは
胸に迫ります。
 
だけど 明石洋子さんも徹之さんも
くじけませんでした。
猛勉強をして 公務員試験に
一度で 合格!
 
ところが 採用通知がこない…
 
明石さんは 徹之さんの夢をかなえるため
多くの人の協力を得ながら
精力的に あちこちに働きかけ
ついに 徹之さんは 採用通知を受け取り
「公務員」になるのです。
 
しかし 明石さんの活動は
そこで お終いではありませんでした。
 
6章は 「地域発・当事者発の地域支援をつくる」
街中にグループホームを作り
「地域サボートセンター あおぞらの街」を作る。
 
どんなにつらいしんどいことがあっても
いつも心を光のほうに向け
徹之さんの心に寄り添いながら
徹之さんを 育ててきた
共に 歩んでこられた明石さんは
その暖かい心とまなざしを
我が子以外の しょうがいを持った人にも
向けられる 素晴らしい人なのです。
 
4月に この本を購入してから
もう 何度 読み返したことでしょう。
 
特に 我が家は 長男とら君が
就職したばかりなので
5章の徹之さんの仕事ぶりや
スケジュール表
そして しょうがいのある我が子を
職場の紹介する時には
心配な面ばかりを 前面に出すのではなく
職場の人の不安感を解消し
徹之さんの 良い面をどう伝えたかなど
 
今すぐにでも 応用できそうなことばかりで
ふむふむと うなずきながら
読みました。
 
だから この本は
しょうがいを持った子を
いかに 心豊かに育て
親が 我が子の夢をかなえるためには
どうしたらよいのかと言う
実用的な ノウハウ本という一面も
持っています。
 
でも 単なる ノウハウ本には
終わっていないのは
明石洋子さんの 生き方が
心の持ちようが
しょうがい者の母としてだけじゃなく
「私も 人として こう生きたい」
と 心から 思わせてくれるからだと思うのです。
 
明石さんの本を読んでいると
「有言実行」
「無駄の無い人生じゃなくて
無駄にしない人生」
などという 言葉が
心に浮かんできます。
 
明石さんは 徹之さんの子育てについて
とても 立派なことをおっしゃいます。
そして 実際 徹之さんと接している明石さんは
ごく自然に そのとおりのことを
徹之さんにしてらっしゃるのです。
 
「人を 大事にしましょう。
人は 宝です」
 
と おっしゃる明石さんは
本当に 気配り心配りの天才と
呼びたいぐらいで。 
 
その気配り 心配りに
心打たれた人たちによって
明石さんの周りには
強力な「明石さん応援団」が
できあがるようです。
 
そして 明石さんは
人生の何事をも 無駄にしません。
悲しいこと つらいこと 苦しいこと
たくさん たくさん あったでしょうに
 
明石さんは それらを しっかりと受け止め
次への糧 次へのステップとされています。
 
その姿を見ていると
人生には 無駄なことなど何も無いんだなぁ。
いや 無駄にしない生き方なんだと
しみじみと思うのです。
 
だからこそ 明石洋子さんの本は
何度も 繰り返し申し上げていますように
 
しょうがい児・者の親や 
しょうがい児・者に関わる人たちだけでなく
すべての人に 読んでいただきたい本なのです。
 
最後に ひとつだけ 不満。
この本で 三部作完結ということですが
私は まだ まだ 続きを 読みたいです。
 
「お仕事の次は 結婚を」と
夢を膨らませている
徹之さんの 夢はかなうでしょうか?
 
地域発・当事者発の地域支援は
これから どんな風に発展していくのでしょうか?
 
明石さんのお忙しさは
充分 承知しておりますから
 
「次の本も 早く書いてぇ」
なんて 駄々っ子のようなことは
申しません。
 
借りてきた猫のようにおとなしく
でも いつまでもいつまでも
絶対 4冊目の本を読める日を
ずうっと ずうっと
お待ちしていますっ!』
 



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