Last updated: 07/06/18





6    カタルシス
更新日時:
2003.08.15 Fri.
 
カタルシスという言葉を辞書でひいたら そもそもは アリストテレスの説ですね。
 
「悲劇を見ることにより 心に鬱積しているもの開放し 浄化する」とか「精神分析的にいうと 押し込められた感情や体験を 言語や行動に移すことによって 心の緊張を解消する」 とかいう意味らしいです。
 
私は そんな難しいことはわかんないので
なにか スッキリすることがあると
「あ〜 カタルシスだわぁ」なんて 言っています。
f(^^;) ポリポリ
 
そして 私が ミステリーに求めるのは まさにこのカタルシス。
不可解に入り組んだ謎が スッキリ解き明かされたときの 快感といったらね。
そりゃ もう。
 
実生活では スッキリといかないことばかりで 閉塞感ばかりだから 余計ミステリーには スッキリを期待しちゃうのでしょう。
 
で 私は 謎解きは 自分ではせず 探偵任せというのは 前章で書きましたが。
じゃ 最後に謎が解かれれば それでいいのか というかと そればっかりではなくて。
 
しっかし なんという ワガママな読者だろーか。
 
まずね 謎の難解さ以前に 文章そのものが難解な作品ってあるのですよ。
笠井潔さんとか 最近読んだのでは 山口雅也さんの「奇偶(奇遇の変換ミスではありませんよ 念のため)」とか。
 
ミステリーというのは 「文学」と「科学」の幸福な結婚のおとし子と 誰かが書いていたような気がしますが。
こういう難解な作品に出会うと 「文学」が
「科学」と結婚生活をおくりつつ タイプの違う「哲学」女史にも 浮気している…なんて 自分のアタマの悪さを棚に上げて 下品な表現 スミマセン。
 
だから 私の好きな作品は 平易な読みやすい文章で 謎はとびっきり不可解 魅力的な探偵が 合理的に謎を解き明かしたあとも なおかつ 余韻が残るっていうのになりますね。
 
あるのか?
そんな作品が?
 
そうですね。
私にとっては クリスティの「ホロー荘の惨劇」なんか そうですね。
あとは どちらかというと 文学が強いけど
北村薫さんの「空飛ぶ馬」とか泡坂妻夫さんの一連の作品。
 
異色なところでは ディクソン・カーの「火刑法廷」は 一応合理的な解決がなされながら オカルト的どんでん返しが というのが印象的です。
 
だけど そう考えると 「幸福な結婚」って
なかなかないものなのね。
 
えっ?
もちろん ミステリーの話しですとも(笑)
 
 
 



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