二年くらい前になりますか おとうちゃんとふたりで
Ｏ市のＳという ラーメン屋さんへ 食べに行きました。
このＳは 日本二大ラーメンのひとつに称える人もいるくらいで 味 人気ともに 超一流なんですが それだけに休日は ２時間待ちくらいの行列を覚悟しなければなりません。
それで つい 平日 こどもたちが学校の間に食べに
行ってしまったのです。
ごめんね こねこたち。
そして 席についてラーメンを待っていると
私たちの前の席に お店の人に手をひかれて
白い杖を持ったかたが ふたり 座られました。
聞くともなしに そのかたたちの話しを聞いていると 盲学校の先輩と後輩で 今日は 先輩に臨時収入があったので
後輩においしいラーメンをおごってあげるということで
このお店に来られたようです。
そうするうちに そのかたたちの注文した ラーメンと餃子が
届きました。
お店の人は とても親切に たれを小皿に入れてあげたり
箸を渡したり 手をとってあげて
「ラーメンは ここ。餃子は ここですよ」 と 教えてあげたりしています。
それを見ながら ラーメンを食べているうちに 私は 段々
悲しい気持ちになっていました。
将来 親が亡くなったあと うちのこねこたちは 自分たちでおいしいもの食べに行くかなんて 思うかしら…
もし 食べに行ったら お店の人は親切にしてくれるかしら…
せっかくの ラーメンが悲しい味になってしまいました。
でも 私は いつまでも 落ち込んでるたちでもないので
「いいわい いいわい。私が生きてる間に う〜んと おいしいもの食べさせて
『おふくろが生きてる間に食べさせてくれたものの思い出で 一生分の思い出ができた』 って こねこたちが思えるくらい 料理もがんばるし おいしいものも食べに連れて行こう」 と思うようになりました。
それに こねこたちが 自分で食べに行きたいと思ったとき困らないように お金の払い方なんかも できるだけ教えておきたいし。
そのうち こねこたちが行きやすいラーメン屋ランキングなんかも 作っちゃうもんね。
泣いてるヒマは ないぞぉ。
と 言いつつ 今のところ こねこたちに
あからさまに 変な態度とったラーメン屋さんっていうのは 皆無ですが。
それより ラーメン屋さんにとって うちのこねこたちより よっぽど迷惑だろうなと 思ったお客は 何人か見かけました
それは また 次章「ラーメン屋さんの困ったちゃん」 で 書きたいと思いますので 乞うご期待…かしら。
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